秋冬展「木工おもちゃのクリスマス ~工房探検~」はじまりました

2019.10.25

エルツおもちゃ博物館・軽井沢では、10月11日(金)より秋冬展「木工おもちゃのクリスマス ~工房探検~」がスタートしました。

今展では、エルツ地方の工房を紹介しながら、そこで作られるクリスマスのおもちゃを展示しています。

エルツ地方の「エルツ」とはドイツ語で「鉱石」という意味で、もともとこの地域では、12世紀ごろから銀や錫が採掘され、鉱業が発達してきた長い歴史があります。

ドイツとチェコの国境をまたぐこの地域は、「エルツ山地(クルスナホリ)鉱業地域 Erzgebirge/Krušnohoří Mining Region」として、今年2019年夏に世界遺産に登録されました。
(「クルスナホリ」はチェコ語で「鉱石」という意味です。)

17世紀ごろには鉱石の減少などで鉱業は衰退していきますが、代わりになる産業として、木工品づくりがはじまりました。

鉱石を砕くための機械を、木材加工のための「ろくろ」として再利用するなど、鉱業からおもちゃ作りの町へと移行する過程には、この地域の人びとの知恵と工夫がありました。

エルツ地方の木工おもちゃの中には、鉱山で働く人々の姿を刻んだミニチュアの人形もあり、地域の歴史を現在に伝えています。

企画展でも、一部鉱山の様子を模したおもちゃを紹介しているコーナーがあります。

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このような歴史のあるエルツ地方は、クリスマスの時期が一年で最もにぎやかになります。

クリスマスを喜ばしい気持ちで迎えるために、木工おもちゃたちが家々を明るく彩ります。おもちゃの工房それぞれに作品の特徴があり、同じモチーフの作品を見比べると表情の違いをたのしむことができます。

今回の企画展では、工房のほかにも、木工おもちゃに込められたクリスマスにまつわるエピソードや、ドイツのサンタクロースについて紹介しているコーナーもあります。


クリスマスカラーの赤や緑の布で展示館内も、いつもと少し違う雰囲気に!

ドイツ・エルツ地方のおもちゃの工房を巡りながら、木のあたたかさを感じるクリスマスをお楽しみいただけますと幸いです。

ムーゼの森 学芸員 須賀