2019年秋冬展
2019/10/18(金)〜2020/01/13(月)
人それぞれ、出会う本、出合う物語は違うものですが、「白雪ひめ」「赤ずきん」「3びきのこぶた」など、世界中に知られている昔話があります。こうしたお話は、なぜこれだけ多くの人に知られてきたのでしょうか。その理由のひとつに、時代が移り変わっても、独特の決まった語り口や様々な絵本で伝えられてきたことが挙げられます。
昔話の代表に『グリム童話』があります。『グリム童話』は、ドイツやその周辺地域の家庭において口伝えで話されてきた物語を、グリム兄弟が集めて、さらに再話して出版したものです。彼らは人々の間に語り継がれてきたお話(メルヒェン)を「嵐や災害に耐え抜き、人知れずたっぷりと身を稔らせた麦」に例えました。同時に「未来への種子になり得る」と語っています。当時、ドイツはナポレオン軍による侵攻により、存続の危機に瀕していました。グリム兄弟は、そうした口伝えの物語を文化的遺産と捉え、次世代の人々に伝え遺していく必要があると考えたのです。単純明快で簡潔、大人も子どもも楽しめるストーリーの裏には、民族に対する兄弟の深い想いがありました。これこそが『グリム童話』が長く広く読み継がれた要因と言えます。
これらの童話は、多くのが画家たちによって目に見える形にされました。絵になることで、ゼロから想像する楽しみが減ってしまうという見方もありますが、そのお陰で現代を生きる私たちも、当時の生活様式を知ることができき、過去の世界に想いを馳せることができます。様々な画家の表現が、時間を超えて感動を与えてくれるのです。
本展では、『グリム童話』を中心とした昔話の絵本原画を展示します。200年以上もの時を超えて、子どもにも大人にも親しまれ続けた「不朽の物語」を、文章だけでなくイラストレーションでもお楽しみいただけたら幸いです。
【イベント】
開催中、以下の日程でギャラリートークを行います。
10月19日、10月26日、11月2日、11月23日、12月7日、12月21日、1月4日 ※いずれも土曜日
・開始時間は14時からとなります(30分程度)
・ご予約不要
・ご参加希望の方は、5分ほど前に第2展示館前にお集まりください。
・途中参加/途中抜け可。トークは第2展示館内で行いますので、途中参加の方はそのままお入りください。
2019年10月18日(金)〜2020年01月13日(月)
【軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデン単館の場合】
大人 1,000円 中高生 700円 小学生 500円【エルツおもちゃ博物館・軽井沢との2館共通セット券の場合】
大人 1,500円 中高生 1,000円 小学生 700円