春夏・後期展の見どころ~クリスマスクリッペ~

2019.06.20


エルツおもちゃ博物館・軽井沢では、春夏・後期展が始まりました!新チラシは夏らしくヒマワリ売りの女の子が目印です。

後期展の注目はこちら、「生誕」というテーマのケース。
本展では、ここにのみ展示されている「Krippe(クリッペ)」というおもちゃがあるのです!
英語では「Christmas Cribs」と呼ばれていて、「Crib」というのはベビーベッドや飼い葉桶の意味です。ドイツでは18世紀頃から、特に山岳地帯で作られるようになりました。

 

このおもちゃは受胎告知やキリストの生誕の場面を再現したおもちゃです。
展示されているのは左のお家の形をしたタイプですが、右のような彫刻タイプも作られています。
マリアとヨセフ、そしてCribで眠るキリスト、星に導かれてやってきた3人の賢者とヒツジ飼い(とヒツジ)が集う、馬小屋の様子を表しています。

これをクリスマスツリーと一緒に飾るのが、キリスト教の国での伝統なのです。
このおもちゃのお陰で、ドイツの人々はクリスマスの到来を感じたり、子どもたちはキリスト教の物語を目で見ながら学ぶことができるんですね。


今回の「森の贈りもの」展は、エルツ地方の四季や暮らしなど、生活と隣り合うものをメインに展示しています。その中で「生誕」というテーマは、日本の感覚からするといまいちピンとこない部分もあるかもしれません。しかし、ドイツをはじめとするキリスト教の国の人々にとっては身近なものなのです。
本展では、木工の温かみに包まれながらも、どこか神秘的な部分を感じていただけたら幸いです。

春夏展は10月7日(月)まで。
これから軽井沢は絶好のシーズンとなります、ぜひご来館いただけたら幸いです!

ムーゼの森 学芸員 中須賀