軽井沢絵本の森美術館 「木葉井悦子のアトリエ」 ~春の展示~

2020.05.25

 第1展示館の木葉井悦子のアトリエの展示替えをしました!


 

 現在展示しているのは、『やまのかぜ』と『ぼんさいじいさま』という作品になります。

 

 『やまのかぜ』は、やまのかぜに誘われた生き物たちが山を登り、山頂で春を祝う踊りを踊ります。「グワッシュ」という不透明水彩が使われていて、大胆で力強い絵が特徴です。春の自然の豊かさ、力強さが伝わってきます。
 そして、なんといっても見所は、展示しているものの中でも一際大きいこちらの絵です!

 生き物たちが春を祝う踊りを踊っている場面なのですが、楽しげで迫力がある1枚です。こちらの絵に関連したクイズもご用意しておりますので、是非挑戦してみてください!

 次に、『ぼんさいじいさま』という作品です。ぼんさいや動物たちに囲まれて暮らしているぼんさいじいさまのところへ、ひいらぎ少年がお迎えにやってきます。最後は2人は手を繋いで、風の向こうに消えていきます。
 こちらはペンや水彩を使っており、『やまのかぜ』とは全く違った雰囲気を楽しむことができます。繊細で、優しい印象をみた人に与えてくれます。見所は、最後の場面です。柔らかな桜の花びらが散る中を歩き去っていくぼんさいじいさまとひいらぎ少年の姿は、穏やかですがどこか切なさも感じられ、思わず見入ってしまう魅力があります。
 どちらの作品も実際に見て、絵が伝えてくれる様々な印象を楽しんで頂けたらと思います。
 また、木葉井は今回紹介した作品の他にも多くの絵本を残しています。それらが読める閲覧本コーナーもご用意しています!



 第1展示館内でしたら、どこで読んでいただいても大丈夫ですので、是非お手に取ってみてくださいね。

 
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学芸員 畑中