軽井沢絵本の森美術館 夏展「お菓子の家の先には…?~『グリム童話』の森へようこそ~」開催中!

2020.07.22


カイ・ニールセン画『ヘンゼルとグレーテル Hansel and Gretel』1925年刊

軽井沢絵本の森美術館では夏展「お菓子の家の先には…?~『グリム童話』の森へようこそ~」が開幕しました!早くも開幕から1ヶ月が経過しました。ご来館、誠にありがとうございます。

春展「『グリム童話』のメルヒェン旅行記」では、臨時休館日が多くご不便をおかけしました。
中止となってしまったギャラリートークの内容を、YouTubeチャンネルにて配信しておりますのでぜひご覧ください。
春展「『グリム童話』のメルヒェン旅行記」 ギャラリートーク

さて、今回は軽井沢絵本の森美術館開館30周年を記念した通年グリム童話展の第2弾です。
前回の春展ではグリム童話の挿絵の歴史をお伝えしましたが、今回の夏展では、より多くのグリム童話のおはなしをお楽しみいただけるようになっています!


タイトルの「お菓子の家」とあるように、今回の核となるのは「ヘンゼルとグレーテル」です。
内装もこの通り、お菓子の家や森の中の各場面を再現しています!
展示の内容もこのおはなしのあらすじに沿って進んでいき、まるでヘンゼルとグレーテルになれたような気分を味わえます。

「ヘンゼルとグレーテル」といえば、兄妹が森に置き去りにされてしまい、悪い魔法使いが暮らすお菓子の家に辿り着き、魔法使いを倒した後に、無事に家に戻ることができた…という おはなしです。

ここには以下の5つのポイントがあります。
「主人公は試練を与えられること(=ヘンゼルたちが森に置き去りにされる)」
「主人公は知恵をつかうこと(=ヘンゼルたちは知恵をつかって家に戻っている)」
「悪者は罰を与えられること(=悪い魔法使いは最後にかまどで焼かれてしまう)」
「助けてくれる存在がいること(=ヘンゼルたちを助けてくれる鳥が登場する)」
「最後には希望があること(=最後には無事に家に帰って父親と再会できる)」
これらは実はグリム童話や昔話にはよく見られる法則なのです!


本展では、この5つの規則性ごとの類話を挿絵とともにご紹介しています。
有名な「ブレーメンの音楽隊」や「白雪ひめ」などはもちろん、今回はめずらしいおはなしも多数展示しています。
グリム童話は200話もありながら、知られていないおはなしがたくさんあるのです。

すべてにあらすじがついているので、初めて知るおはなしがあっても安心。
展示が終わった後に、実際のおはなしをお読みいただくとさらにお楽しみいただくことができます!
ぜひ軽井沢絵本の森美術館で、グリム童話の世界をご堪能ください。

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学芸員 中須賀