エルツおもちゃ博物館・軽井沢 2020年度春夏展「物語を紡ぐドイツのおもちゃ」後期展開催中

2020.07.27

エルツおもちゃ博物館・軽井沢では、7月1日から2020年度春夏展「物語を紡ぐドイツのおもちゃ」後期展が始まりました!

後期では前期に引き続き、「グリム童話」や伝説、文化などを伝えるおもちゃを中心に展示しています。(春夏展前期展はこちら
一部展示替えを行っていますので、前期にお越しいただいた方にも、お楽しみいただける内容になっています。
今回は、新しく仲間入りしたおもちゃを、少しだけご紹介します!

上の画像は、展示室の入口にあるケースです。クリスマスピラミッドなどの伝統的なおもちゃや、小さな木の動物たちがいます。
そしてチラシにもなっている、かわいいおうち型のおもちゃ!どれも「グリム童話」を題材にしたものです。 おうちの部分は取り外しができて、中にお香を入れられます。お香をいれた後におうちの部分をかぶせると、えんとつから煙が出てくる仕組みです。
こうしたかわいいおもちゃたちが、皆様をお出迎えします。

▲展示室内の様子
▲「かえるの王様」の
パイプ人形
▲がちょうと女の子

展示ケース内では、「グリム童話」やドイツのおはなしの一場面を表現した展示をしております。ここにも、新たに仲間入りしたおもちゃたちがおります。その一部をご紹介します。
まず、ケース内でどっしりと構えているのが「かえるの王様」のパイプ人形です。
次に、3枚めの画像は「グリム童話」のおはなしのひとつ、「がちょう番のむすめ」を模した人形です。「がちょう番のむすめ」は王子様と結婚するはずだったお姫様が、お付きの者にだまされてがちょう番をさせられることになってしまう、というおはなしです。

がちょうと女の子の並びは、ドイツではポピュラーなモチーフです。ゲッティンゲンという町には、「ガチョウ番の娘リーゼル」という銅像があります。「グリム童話」を集めたグリム兄弟が勤めていたゲッティンゲン大学の学生は、修了試験に合格したらこの銅像にキスをする、という習わしもあるそうです!

知育玩具の展示もリニューアルいたしました!あわせて紹介させていただきます。

▲フレーベルの「恩物」
▲ネフ社のおもちゃ

前期から展示しておりましたフリードリヒ・フレーベルの恩物に、新たにネフ社の知育玩具が加わりました。

フレーベルは、ドイツの教育学者であり、世界で初めて幼稚園を作った人物です。また、「恩物」という教育遊具を創案するなど幼児教育の発展に貢献し、「幼児教育の父」と呼ばれています。
フレーベルは、子どもが楽しく遊びながら創造力などを養えるようなおもちゃとして「恩物」を考案しました。丸・三角・四角など基本的な形をしていて、発達段階に合わせて様々な遊びができるという特徴があります。

ネフ社は、スイスのおもちゃ会社です。製品は、ほとんどがデザイナーの持ち込みで、厳しい審査を通過したものだけが商品化されます。フレーベルの創造的なおもちゃの仕組みを応用し、かつデザイン性に優れたネフ社のおもちゃは、高い評価を得ています。

展示室内には、おもちゃで遊ぶことができるコーナーもあります。また展示しているおもちゃには、博物館併設のショップで購入できるものもございます。
是非、たくさんのおもちゃと出会い、触れ合ってみてください。

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学芸員 畑中