2022.03.27
3月12日より、エルツおもちゃ博物館 春夏展「木のおもちゃの物語~おもちゃの町、ドイツ・ザイフェンを巡ろう!~」がスタートしました!
今回の企画展では、ドイツ・エルツ地方のザイフェンという町で作られている木工おもちゃを中心にご紹介しています!
可愛らしく温かみが感じられる木工おもちゃは、お土産やインテリアとしても人気があります。しかし、ただ可愛らしいだけではありません。木工おもちゃには、エルツ地方の歴史を伝えてくれる一面もあります。
例えば、木工おもちゃの中でも有名な「くるみ割り人形」の姿に注目してみましょう。
これらのくるみ割り人形は、全て「王様」の姿を模しています。くるみ割り人形には、この「王様」がモチーフのものが多いのですが、一体なぜでしょうか?
一説によれば、当時王様に苦しめられていた庶民たちが、王様の姿のくるみ割り人形に硬いくるみを割らせることで、日ごろの鬱憤(うっぷん)を晴らしていたから、と言われています!
王様の他にも、林務官、サンタクロース、鉱夫など、エルツ地方の人々と深く結びついた職業がモチーフのくるみ割り人形がたくさんあります。くるみ割り人形は、当時の人たちの生活を伝える、という一面も持っているのです。
企画展内では、そんなくるみ割り人形の職業を当てるクイズもご用意しています!
ケースの中のヒントを見ながら、どんな職業なのか当ててみてください!
さらに、今回から常設展の内容もリニューアルしています。
エルツ地方は、昔は鉱業で栄えていました。しかし徐々に鉱業が衰退し、それまで副業的に営まれていた木工品作りが本格化していきました。さらに、鉱業時代に使っていた、鉱物を砕く砕鉱機を「ろくろ」として活用しました。これは「ライフェンドレーエン」と呼ばれる技術で、おもちゃの大量生産を可能にしました。
エルツ地方の木工おもちゃ作りの歴史も、じっくりとご堪能いただけたら幸いです!
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学芸員 畑中