エルツおもちゃ博物館・軽井沢 2023年春展「くらべてみよう!おもちゃの姿」開催中!

2023.04.05

エルツおもちゃ博物館は、めでたいことに今年で開館25周年を迎えました! その記念すべき年の第一弾の企画展「くらべてみよう!おもちゃの姿」を6月5日(月)まで開催しております。


タイトルの通り、本展は「木のおもちゃをくらべて楽しむ」のがコンセプトとなっています。おもちゃたちには、いったいどんな「ちがい」があるのでしょうか? 本コラムでは、展示内で紹介しているさまざまな「ちがい」から、一部をご紹介します!


まずはエルツ地方の代表的なおもちゃ「くるみ割り人形」です。 最も代表的なくるみ割り人形には「フュヒットナー」工房の、きりっとした顔立ちのものがあります。

一見、みんな同じ立ち姿をしているように見えますが……

ちょっとこまったようなまゆ毛の「ディーター・レグラー」や

丸くて立体的な王冠が特徴の「オラフ・コルベ」のくるみ割り人形があります!

次に紹介するのは「イースター・ラビット」です。
「イースター(復活祭)」は、ドイツをはじめ、キリスト教の信仰が多い国では身近な行事であり、その象徴となる「イースター・ラビット」は、伝統的なモチーフです。



1枚目から順に、「ライヒセンリンク」 「ラルフ・ツェンカー」 「ゴットハルト・シュテークリヒ」のイースター・ラビットです。丸みのある姿、すっきりした姿、さまざまな形のうさぎがいます。
それだけでなく、服のデザイン、お祝いの仕方にも「ちがい」があります。 同じおもちゃやテーマでも、よくよく見ると「ちがい」がたくさん見つけられるんですね!

また、本展の中には「お仕事をくらべてみよう!」と題して、あらゆる職業をモチーフにしたおもちゃも紹介しています。

ドイツには「夜警」や 「えんとつ掃除屋」といった、伝統的なお仕事があります。日本ではなかなか見られない職業の姿を、おもちゃを通して知ることができるんですね。

また、「パン屋さん」「お医者さん」のように、日本でも身近な職業のおもちゃもあります!一方、これらにもドイツ独自の、日本とは少し違った慣習があるのです。
詳しくはぜひ、企画展内でご覧いただけたら幸いです!

木のおもちゃは、一体一体が手作りです。工房や職人(マイスター)の個性が発揮されたおもちゃの中から、自分にとって最も愛着がわく一体を見つけた時には、特別な喜びが感じられます。
木のおもちゃの醍醐味には、こうした「くらべる楽しみ」があるのです。ぜひ、当館でこの魅力をご堪能ください!

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学芸員 中須賀