2023年秋冬展
2023/10/13(金)〜2024/01/8(月)
冒険と郷愁、アメリカ絵本の魅力にせまる
モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』(1963 年)やバージニア・リーバートン『ちいさいおうち』(1942 年)など、数々の名作を輩出したアメリカ絵本。アメリカの絵本には、読み手の好奇心を誘う「冒険心」や、かつてのアメリカの素朴な情景を描く「郷愁」といった魅力が見られます。
絵本の歴史をたどると、子ども向けの挿絵本の時代にたどり着きます。アメリカでは『ロビンフッドのゆかいな冒険』(1883 年)のハワード・パイルが、挿絵本界を牽引しました。そして「アメリカで最も愛された画家」と呼ばれるジェシー・ウィルコックス・スミスをはじめ、アメリカ絵本の草創期を築く画家らを輩出します。
挿絵本の時代を経て、『100 まんびきのねこ』(1928 年)のワンダ・ガアグや、『かもさんおとおり』(1941 年)のロバート・マックロスキーを中心とする、アメリカ絵本の開花期が始まります。挿絵本の時代は、主にイギリスからの影響を強く受けていましたが、ここからはアメリカ絵本の個性が色濃く出るようになりました。この時期は、第二次世界大戦の情勢下にあり、戦況によって活動の場をアメリカに移す画家もいました。その一人であるH . レイは、アメリカへ移住し、『きりんのセシリ―と9 ひきのさるたち』(1939 年)、『どうながのプレッツェル』(194 4 年)といったヒット作を生んでいます。
1938 年には、もっとも優れた絵本に与えられる「コールデコット賞」が創設されました。戦後のアメリカ絵本の歴史は、主にこの賞とともに語ることができます。本展では、ドナルド・クリューズ『はしれ!かもつたちのぎょうれつ』(1978 年)、マーシャ・ブラウン『影ぼっこ』(1982 年)、アリス&マーティン・プロヴェンセン『パパの大飛行』(1983 年)といった受賞作の原画を中心に、戦後以降のアメリカ絵本の黄金時代に迫ります。合わせて、コールデコット賞の由来となる「現代絵本の父」ランドルフ・コールデコットの絵本の魅力にふれます。
また、ミニ特集として、アメリカ児童文学を代表するファンタジー『オズの魔法使い』シリーズをご紹介。本作登場のキャラクター「かぼちゃのジャック」と絡めたフォトスポットが登場します。
※本展には、一部撮影可能な作品がございます。
撮影禁止の作品の撮影、SNS等への画像の投稿はご遠慮ください。
【展示作品リスト】
・壁面展示リスト(2023.10.13公開)
・ケース展示リスト(2023.10.13公開)
2023年10月13日(金)〜2024年01月8日(月)
【軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデン単館の場合】
大人 1,000円 中高生 700円 小学生 500円【エルツおもちゃ博物館・軽井沢との2館共通セット券の場合】
大人 1,500円 中高生 1,000円 小学生 700円