秋冬展

2020年度 秋冬展「グリム童話」の裏話

アーサー・ラッカム画「赤ずきん」『FairyTales of Brother's Grimm』1909年/Doubleday, Page&Co刊

「真の文学は生活から生じ、生活に帰る」(『グリム童話(子どもと家庭のメルヒェン)』序文より)
『グリム童話』成立に隠された意図をご紹介

 1812年に『グリム童話(子どもと家庭のメルヒェン)』が出版されました。グリム童話に入っている多くのお話は「昔話」といって、人々の間で口伝えによって親しまれていたものです。兄弟は実際に語り手から話を聞き取って昔話を収集しました。こうして、形のなかったグリム童話が文章となって今でも残っているのです。
 このように「形のない昔話を文章にして残す」という目的から成立した『グリム童話』ですが、最終第7版まで改訂する中で、話を追加または削除し、表現を書き直していきました。「本当は怖いグリム童話」と謳われるように、初版には残っていた残酷なおはなしや性的な表現も直されました。つまり、グリム童話の内容には、兄弟の価値観や生い立ちが反映されているのです。たとえば、グリム兄弟は自分たちの境遇から兄弟というテーマに強く共感していたため、「ヘンゼルとグレーテル」をはじめ兄弟のはなしを多く集めていたといわれます。
 グリム兄弟がどのようにグリム童話を作っていったのか、どのように表現を直し、展望を抱いていたのか。本展では、イラストレーションとともに、グリム兄弟の生い立ちや功績に絡め、この童話集にこめられた裏の意図をご紹介します。
  同時開催として、兄弟にとって再話の手本となったシャルル・ペローの童話を特集します。ペロー童話には、グリム童話でも知られる「赤ずきん」「眠りひめ」「シンデレラ(グリム童話では「灰かぶり」)」などがありますが、その内容は教訓性を帯びています。グリム童話との相違点から、ペロー童話を解説します。

【イベント等】
近日中に公開いたします

  • 会期

  • 開館時間
    10:00~16:00(最終入館は閉館の30分前)※10月9日~12日は9:30~17:00
  • 休館日
    【10 月・11 月】火曜日 ※11月3日(火)は開館【12月】火~金曜日 ※12月30日(水)、12月31日(木)は開館【1月】1/1(金)、5(火)~8(金)  ※1/2(土)~4(月)、9(土)~11(月)は開館 ※1/12(火)~2/28(日)は冬季休館
  • 入場料金

    【軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデン単館の場合】

    大人 1,000円 中高生 700円 小学生 500円 

    【エルツおもちゃ博物館・軽井沢との2館共通セット券の場合】

    大人 1,500円 中高生 1,000円 小学生 700円 

※小学生未満無料

※小学生以下のご入館には保護者の同伴が必要です

※障がい者割引あり