エルツおもちゃ博物館・軽井沢 春夏展「おもちゃが奏でるドイツの音色」(後期展)開催中!

2021.06.23

6月16日より、エルツおもちゃ博物館・軽井沢 春夏展「おもちゃが奏でるドイツの音色」の後期展がはじまりました!
本展では、楽器を持ったミニチュアなどとともに様々なドイツの文化をご紹介しています!

▲タイトルケース

今回の学芸コラムでは、前期展と違う部分をちらりとお見せします!
後期展より「イースター(復活祭)」と「音楽祭」のケースが増えました。

○イースター
「イースター」のケースでは、イースターの準備期間とイースター当日の楽しさをイメージした展示を行っています!また、本物の卵に彩色したイースターエッグや「イースターとコウノトリ」という、ちょっと珍しい組み合わせについての解説も追加しています!

▲イースター準備期間をイメージした展示ケース

▲イースター当日をイメージした展示ケース

春のお祭りとして有名なイースター。キリストの復活を祝う祝日で、とても大切な文化の1つです。
イースターの46日前は「灰の水曜日」とも呼ばれています。この「灰の水曜日」に「カーニバル」が終わりを迎えます。そして、そこからイースターまでの46日間(日曜日は除くので、実質40日間)の断食の期間がはじまるのです。これは「四句節」とも呼ばれ、キリストが40日間の断食をしたことに由来します。この断食期間は、イースターの準備期間でもあります。イースターの当日になると、子どもたちは家の中や庭などに隠された卵を探したり、地域によっては「卵ころがし」などの遊びもするのだそうです。

○「音楽祭」

▲「バイロイト音楽祭」をイメージした展示ケース(正面)

▲「バイロイト音楽祭」をイメージした展示ケース(横側)

ドイツは「3B」とも呼ばれるバッハやベートーヴェン、ブラームスを輩出している国です。また「バッハ音楽祭」や「ベート―ヴェン音楽祭」、ワーグナーのオペラを上演する「バイロイト音楽祭」など様々な音楽祭を開催している音楽と関わりの深い国です。上記の写真は、「バイロイト音楽祭」の展示ケースです!
バイロイト音楽祭は「バイロイト祝祭劇場」で開催されます。バイロイト祝祭劇場で特徴的なのは、「オーケストラピット」です!オーケストラピットとは、客席と舞台の間の、少し低くなっている場所のことです。ここにオーケストラが入って演奏をします。
バイロイト祝祭劇場のオーケストラピットは、階段上になっていて舞台の下に潜り込む形です。このため、客席側からはオーケストラが見えなくなり、観客は音楽のみに集中できるのです。そんなオーケストラピットをイメージして天使の楽団を展示しています!ケースの正面や横側からなど、様々な角度から見て楽しんでいただけたらと思います!

また、壁面の「ドイツの音楽家」ケースにも、可愛らしい音楽家が仲間入りしました!

▲「ブレーメンの音楽隊」のミニチュア

『ブレーメンの音楽隊』より、ロバ、犬、猫、雄鶏(おんどり)です!とっても人気者の彼ら、知っている方も多いのではないでしょうか?
「ブレーメン」は、ドイツにある実在する町です!このブレーメンの町には「ブレーメンの音楽隊」の銅像があります!ロバの足に触れながら願いごとをすると叶う、というジンクスも有名なようです。また、『ハーメルンの笛吹き』を模したおもちゃも一緒に展示しています!
ドイツの文化や町に思いを馳せながら、後期展を楽しんでいただけたらと思います!


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学芸員 畑中