2024.03.21
軽井沢絵本の森美術館では、3月9日(土)より2024年春展「マザーグースを楽しむ」が始まりました!
イギリスを中心に親しまれている伝承童謡「マザーグース」。日本では「ロンドン橋」や「ハンプティ・ダンプティ」などが有名です。特にハンプティ・ダンプティの唄は『鏡の国のアリス』(ルイス・キャロル、1871年)のキャラクターのモチーフにもなっています!
マザーグースの数は膨大で、今回の企画展でも全て解説することはできていません。そこで、学芸コラムでは企画展内で紹介しきれなかったマザーグースを取り上げていきます!ぜひ、企画展と合わせて楽しんでいただけましたら幸いです。
さて、今回は「すいせんむすめがまちにきた(Diffy-down-dilly has come up to town)」を紹介します!
Daffy-down-dilly has come up to town,
In a yellow petticoat and a green gown.
すいせんむすめが町にやってくる、
黄色のペチコートと緑のガウンで。
春の訪れを感じさせてくれる黄色のスイセン。イギリスでは「daffodil」と呼ばれ愛されています。このマザーグースでは、スイセンの黄色の花びらをペチコートに、緑の葉をガウンに見立てています。町で鮮やかな黄色のスイセンが咲き始める、そんな春らしい光景が目に浮かんできます。
スイセンは、ウェールズの国花でもあります。ウェールズでは、3月1日は「聖デイビッドの日」という祝日になっています。ウェールズの守護聖人である聖デイビッドにちなんだ日で、盛大に祝われます。この日は、多くの人がスイセンを身につけるそうです。
軽井沢は、まだ雪の降る日もあります。目の覚めるような黄色のスイセンを、待ち遠しく感じる今日この頃です。
この学芸コラムを読んでくださっている皆様には、マザーグース「すいせんむすめがまちにきた」で一足早く、春を感じていただけましたら幸いです。
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学芸員 畑中