エルツおもちゃ博物館・軽井沢 秋冬展「サンタと巡るクリスマス」開催中!

2021.10.20

10月8日より、エルツおもちゃ博物館・軽井沢 秋冬展「サンタと巡るクリスマス」がスタートしました!

本展では、サンタの姿のおもちゃとともに、サンタのミニストーリーを展開しています!そのストーリーに沿って、ドイツのクリスマスの文化を紹介する内容となっています。
今回は、その一部をちらりとお見せします!

このケースは、クリスマスの4週間前の「アドヴェント」と呼ばれる時期に、準備で大忙しのサンタの様子をイメージしています。
プレゼントのリストを見ながら頭を悩ませるサンタたち。なんとドイツでは12月6日にサンタがやってくるので、今が頑張り時なのです。

さて、なぜドイツでは12月6日にサンタがやってくるのでしょう?
これは、サンタの起源となった聖ニコラウスという人物の忌日が12月6日であるからだといわれています。

聖ニコラウスは古代都市ミュラ(現・トルコ)に実在した人物です。ある時、貧しい家庭の娘がお金のために身売りをしようとしていました。これに同情した聖ニコラウスは、金貨を煙突から投げ入れ、それがちょうど暖炉のそばにかかっていた靴下の中に落ちました。
こうした逸話から、聖ニコラウスとサンタが結びつくことになりました。

さらに、クリスマスによく飾られるおもちゃとして、「クリスマスピラミッド」と「シュヴィップボーゲン」をご紹介しています!
まずはクリスマスピラミッドです。

クリスマスピラミッドには、ろうそくを立てる燭台があります。ここにろうそくを立てて火を灯すと、あたためられた空気が上昇し、プロペラを回してくれます。
シンプルなデザインのものから、豪華な階層型まで様々な種類があります。火を灯したクリスマスピラミッドは、窓辺に飾られることが多いです。

続いて、シュヴィップボーゲンをご紹介します!

こちらも、クリスマスピラミッドと同じく、よく冬の夜の窓辺に飾られます。アーチの形をしているのが特徴です。このアーチ形は、その昔、エルツ地方が鉱業で栄えていたころ、坑道を支えていたアーチを模しています。シュヴィップボーゲンは、エルツ地方の歴史を伝えてくれるおもちゃでもあるのです。

また、「クリスマスピラミッド」や「シュヴィップボーゲン」などの火を灯すおもちゃを窓辺に置くのは、冬にやってくる悪いものを追い払う、という意味もあります。ドイツの人々は木のおもちゃとともに、寒く厳しい冬を耐え、生命の芽吹く春の訪れを待ち望むのです。

本展期間中の12月25日には、ナイトミュージアム「クリスマスに灯すおもちゃたち」(文字の色を変える)も開催予定!
「クリスマスピラミッド」や「シュヴィップボーゲン」に実際に灯りを灯してみます。学芸員によるドイツのクリスマスに関する解説もあります!おもちゃの灯りの中で、ぜひドイツのクリスマスの雰囲気を感じていただけたらと思います。
ナイトミュージアムの詳細についてはこちらをご確認ください。

また、本展ではクリスマスに大活躍のオーナメントをご紹介しています。
その中から、ドイツの伝統的な工芸品の1つである「ボビンレース」とツリーに飾るケーキの1種、「レープクーヘン」をお届けします!

▲ボビンレース
▲レープクーヘン

エルツ地方の人々は、昔は木のおもちゃ作りではなく、鉱業で生計をたてていました。ボビンレースは、鉱業だけで生活していくことが難しかった家庭で副業として行われていました。
長らく女性が行っていましたが、1797年頃の記録では、鉱夫さんがデザインの図案を作成していたという記録もあります。
繊細で美しいボビンレースを編むことができる手先の器用さ、そして美しいデザインからは、豊かな発想力が垣間見えます。こうした能力は、後に鉱業が衰退したことで本格化した、木のおもちゃ作りにも生かされているのではないでしょうか。ボビンレース、ぜひ間近でご鑑賞ください!

レープクーヘンは、クッキーのようですが実はケーキの一種です。日持ちするようはちみつと小麦粉で作られていて、とても固いです!クリスマスマーケットの屋台でも売られています。また、はちみつを使うのは、昔砂糖が高価だったころにはちみつで代用していたからとも言われています。クリスマスの風物詩ともいえる「レープクーヘン」。家庭で作ってみるのも楽しいかもしれません。

ここで紹介した以外にも、ドイツのクリスマスには日本では珍しい文化がたくさんあります!ぜひ、本展でサンタのおもちゃと一緒にドイツのクリスマスを巡っていただけたら幸いです!

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学芸員 畑中