KaruizawaErzToyMuseum

EXHIBITION

展示案内

2023 夏展

エルツ地方のミニチュア

Miniaturstübchen など/ Gunter Flath

ミニチュアが映しだす空間に親しむ

 エルツおもちゃ博物館・軽井沢は、今年で開館25周年を迎えました。ドイツ・エルツ地方のおもちゃを中心にヨーロッパの木工おもちゃ、知育玩具を収集・展示し、遊びの可能性を提供し続け、25年という記念すべき年を迎えることができました。この節目に、企画展「エルツ地方のミニチュア」を開催します。

 エルツ地方のおもちゃには、多くの「ミニチュア」があります。鉱山業からおもちゃ産業に移行して、最初にヒットした商品「ノアの方舟」はまさにその一つです。方舟に乗せられる小さな動物たちの人形は、子どもたちが数え方や聖書の内容を学ぶのに役立ちました。この動物たちのミニチュアは、エルツ地方の伝統的なおもちゃ作りの技術「ライフェンドレーエン」によって主に生み出されています。
 また、大きなおもちゃに関税が高くかかるようになったため、安く輸出できる小さなおもちゃとして発明されたのが「マッチ箱のおもちゃ」です。マッチ箱の中に日常生活や物語の場面を作り出したこのおもちゃは、包装代を節約できるだけでなく、安価に販売できるメリットを持つ、たいへん合理的なおもちゃでもあります。

 こうしたミニチュアの最大の特徴が「小さな箱の中に小さな世界が収められている」点にあります。そこに収められているのは、主に人々の日常生活や、クリスマスなどの行事を楽しむ光景です。ドイツの職人・マイスターの卓越した技術によって再現された人々の生活や文化の様子が、ミニサイズになって手元に広がります。私たちが普段いるはずの部屋や空間を、客観的に見つめることができる面白さがそこにはあるのです。

 本展では、エルツ地方のおもちゃの歴史や特徴を、ミニチュアの観点からご紹介します。木のぬくもりや温かみが作る小さな世界が、日常での発見や想像力につながるきっかけになれば幸いです。

  • 会期

    20230610日(土)2023102日(月)

  • 開催期間
    9:30~17:00
    ※最終入館は閉館の30分前

    ※6月7日(水)~6月9日(金)は、エルツおもちゃ博物館は展示入替のため、ご利用いただけません。また、この期間中はセット券の販売は停止させていただきます。(ショップは利用可能です。)
    ※6月21日(水)~6月22日(木)は、軽井沢絵本の森美術館・第2展示館は展示入替のため、ご利用いただけません。その他の施設は通常通り営業いたします。また、この期間中のみ特別入館料となります。(ショップは利用可能です。)
  • 休館日
    火曜日 
    ※7~9月は無休
  • 入場料金

    【エルツおもちゃ博物館・軽井沢単館の場合】

    大人 750円 中高生 500円 小学生 350円 

    【軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデンとの2館共通セット券の場合】

    大人 1,400円 中高生 900円 小学生 650円 

※小学生未満無料

※小学生以下のご入館には保護者の同伴が必要です

※障がい者割引あり

2023 秋冬展

くるみわり人形とクリスマス

ホフマンの物語がモチーフになっているミニくるみわり人形/Tobias Heidenreich ほか

くるみわり人形と楽しむクリスマス

 木工おもちゃ作りで世界的に有名な、ドイツ・エルツ地方。エルツ地方で作られたおもちゃは、主に「クリスマスマーケット」で販売されています。「クリスマスマーケット」は、クリスマスの時期にドイツ各地で開催される市場です。

 エルツ地方の木工おもちゃのなかでも、特に知られているのが「くるみわり人形」です。くるみわり人形が広く知られるようになったきっかけの1つには、1816年に発表されたE.T.A.ホフマンの小説『くるみわり人形とねずみの王さま』があります。さらに、このホフマンの物語を題材にして、チャイコフスキーが曲をつけたバレエ作品「くるみわり人形」が、クリスマスの時期になると上演されています。こうして、くるみわり人形とクリスマスのイメージが、結びついていきました。

 クリスマスの風物詩としても人気のあるくるみわり人形ですが、いつ誕生したのかは、正確にはわかっていません。しかし、15世紀頃から、ヨーロッパ各地でくるみわり人形の前身ともいえる「くるみわり器」が登場していました。ドイツでは、1735年頃にゾンネベルクという町で、くるみわり器が存在していた記録があります。そして18世紀頃になると、現在よく知られている「くるみわり人形」に近いものが現われてきます。

 エルツ地方のおもちゃの町として知られるザイフェンでは、1870年頃に最初のくるみわり人形が誕生しました。制作したのは、ヴィルヘルム・フリードリヒ・フュヒトナーです。これをきっかけに、ザイフェンの職人たちがそれぞれ個性的なくるみわり人形の制作を始めました。今ではくるみわり人形は、ザイフェンのシンボル的存在にもなっています。
 本展では、たくさんのくるみわり人形とともに、その歴史や仕組み、物語などをご紹介します。これに加えて、クリスマス・ピラミッドやクリスマス・クリッペなど、くるみわり人形と同様に、クリスマスに活躍するおもちゃも展示します。くるみわり人形とともに、ドイツのクリスマスの雰囲気をご堪能ください。

  • 会期

    2023106日(金)2024018日(月)

  • 開催期間
    【10月】9:30~17:00
    【11月~1月】10:00~16:00
    ※最終入館は閉館の30分前
  • 休館日
    【10月・11月】火曜日
    【12月】火~金曜日 ※12/27(水)~12/31(日)は開館
    【1月】1/1(月)、1/4(木)~1/5(金)
     ※1/9(火)〜3/8(金)までは冬期休館
  • 入場料金

    【エルツおもちゃ博物館・軽井沢単館の場合】

    大人 750円 中高生 500円 小学生 350円 

    【軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデンとの2館共通セット券の場合】

    大人 1,400円 中高生 900円 小学生 650円 

※小学生未満無料

※小学生以下のご入館には保護者の同伴が必要です

※障がい者割引あり