KaruizawaPicturebookMuseum

EXHIBITION

展示案内

2025 秋冬展

魔法の絵本

エロール・ル・カイン『魔法をかけられた学校 A School Bewitched』©1985 Errol Le Cain

昔話における魔法、季節の魔法など、 幻想的な魔法の絵本を紹介

絵本には、さまざまな魔法の場面が登場します。たとえば、魔法使いが主人公の願いをかなえる、動物が人間のようにふるまい、人間と話すことができる……日常では起こり得ない場面が、絵本では成立します。本展では「1.昔話の魔法」「2.魔法の使い手」「3.季節の魔法」という3つのテーマに分けて、魔法の場面が出てくる絵本を、原画とともにご紹介します。

「1.昔話の魔法」の項目では、「灰かぶり」「白雪ひめ」などのグリム童話や、神話をもとにした「キューピッドとプシケー」、説話集『千夜一夜物語』を代表するお話「アラジンと魔法のランプ」などに出てくる魔法の場面を紹介します。昔話には魔法を用いる場面が多々登場しますが、そこには共通した規則性やパターンが見えてきます。

こうした「魔法」とほぼセットで登場するのが「2.魔法の使い手」です。ここでは「イメージの魔術師」と呼ばれる絵本画家エロール・ル・カイン『魔法をかけられた学校 A School Bewitched』をはじめとする「魔法使い」の存在に焦点を当てます。本展ではル・カインの『ハイワサのちいさかったころ Hiawatha’s Childhood』(原書1984年)、『アラジンと魔法のランプ Aladdin and the Wonderful Lamp』(原書1981年)、『おどる12人のおひめさま The Twelve Dancing Princesses』(原書1978年)といった作品を含む、全11タイトル25点の絵本原画を展示します。
そして「魔法使い」以外にも、小出真己『サンタに恋して』(世界文化社、2007年)から「サンタクロース」や、イギリスの挿絵画家アーサー・ラッカムとアメリカの絵本画家マイケル・ヘイグがそれぞれ描く「ピーター・パン」といった、魔法を感じさせる存在について見ていきます。

そして「3.季節の魔法」では、春夏秋冬それぞれをテーマにした絵本の中から、魔法を感じる場面に注目します。魔法にかけられた季節の情景を追いながら、一年を振り返ってみるのはいかがでしょうか。絵本を通して、幻想的で、どこは儚くもある魔法の世界をご堪能ください。

【展示品リスト】
 壁面展示リスト
 ケース内展示リスト

【イベント情報】(2025.8.15更新)
軽井沢絵本の森美術館 秋冬展「魔法の絵本」学習プログラム
日時:2025年10月25日(土)、2025年11月22日(土)、2026年1月4日(日)の各14時~(30分程度) ご予約不要
場所:軽井沢絵本の森美術館 イベントスペース「森の家」
企画展「魔法の絵本」の内容にそって、昔話のひみつや童話のひみつをスライドレクチャー式で学ぶことができます。企画展をご覧になる前の予備知識としても、見た後の補足説明としてもお楽しみください!
※軽井沢絵本の森美術館の入館料が必要です
※途中参加/途中退室も可能です

  • 会期

    20251011日(土)20260112日(月)

  • 開館時間
    【10月】9:30~17:00 【11月~1月】10:00~16:00 ※最終入館は閉館の30分前
  • 休館日
    【10月・11月】火曜日 【12月・1月】火~金曜日 ※12/24(水)~12/31(水)、1/2(金)は開館 ※1/13(火)~3/6(金)までは冬期休館
  • 入場料金

    【軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデン単館の場合】

    大人 1,000円 中高生 700円 小学生 500円 

    【エルツおもちゃ博物館・軽井沢との2館共通セット券の場合】

    大人 1,500円 中高生 1,000円 小学生 700円 

※小学生未満無料

※小学生以下のご入館には保護者の同伴が必要です

※障がい者割引あり

常設展示のご案内

ピーターラビットのひみつをさぐろう!!

ピーターラビット™のひみつの部屋(第3展示館)

ビアトリクス・ポターの生誕150周年となる2016年に、ピーターラビットシリーズを紹介するコーナーを常設いたしました。本展では、日本におけるビアトリクス研究の第一人者である「吉田新一」氏(英米児童文学研究者、当館名誉顧問)監修の元、作品世界を深く読み解きながら、お話に込められた「ひみつ」に迫ります。

ピーターラビット™のひみつの部屋

吉田新一文庫(第1展示館)

第1展示室に隣接している「吉田新一文庫」は、当館の名誉顧問でもあり英米児童文学研究者の吉田新一氏の資料をご紹介しています。貴重な原書などの資料があり、学生や研究者の方にもご利用いただいています。

吉田新一先生ご逝去のお知らせ

吉田新一文庫

欧米絵本のあゆみ(第1展示館)

欧米絵本の初期から現代まで続く魅力を様々な切り口で紹介しています。

欧米絵本のあゆみ

木葉井悦子のアトリエ(第1展示館)

木葉井悦子(1937―1995)は、東京・小金井出身の画家です。初の絵本である『あかいめのしろへび』をはじめ、『みずまき』や『ぼんさいじいさま』など、生涯で17冊の絵本を制作しました。武蔵野の原生林の残る地域で育った彼女の絵本には、豊かな自然やいきいきとした動物たちが多く登場します。また数年暮らしたアフリカの地での経験や仏教思想なども、作品の中に落とし込まれています。「木葉井悦子のアトリエ」では、ご遺族の意向により当館に寄贈された木葉井の原画作品を、その生涯と共にご紹介しています。

木葉井悦子のアトリエ